MINOLTA X-700でフィルムカメラを始めてちょうど1年が経った。感じたのはタイトルのとおり初心者にこそオススメできるカメラだということ。
どういうポイントでそう思ったのかを総括的な感じ書き連ねたい。
ピントを合わすだけの「プログラムAE」が使える
一眼レフカメラを買う理由の1つに自分でピントで合わしたいってのがあると思う。だけど、写真は露出によって明るくなったり暗くなったりするから、シャッタースピードや絞りを常に調整しながら写真を撮らなければならない。これが慣れないうちは結構大変。
でもX-700はMDレンズと組み合わせれば露出の調整を自動でやってくれるから、撮影者はピントを合わすだけ。すごく簡単。
使い方は
1.カメラ側のスピードダイヤルを「P」にあわせる
2.レンズの絞りを最小にする(F16とかF22)
たったこれだけでピント以外は自動で撮れるようになる。
レンズの絞り最小値も、カメラの「P」もどちらも緑色で刻印されているので、両方を緑に合わすと自動になると覚えよう。
手軽にフィルムカメラの雰囲気を味わうにはうってつけ。
ボケた写真も簡単に撮れる「絞り優先AE」が使える
少しカメラがわかってくると背景がボケた写真も撮りたくなってくると思う。基本的には絞りを開放付近にして被写界深度を浅くすると思うけど、そのときの光の量に応じてカメラがシャッタースピードを自動で調整してくれるから、自分が意図する写真を簡単に撮れる便利機能。
開放でボケボケの写真も、絞って隅々までピントを合わす写真も、カメラが自動で調整してくれる。
とはいえシャッタースピードには限界がある。X-700だと1/1000が最速だから、例えば炎天下で絞り開放で撮ろうと思ってもめっちゃ白飛びした写真が撮れてしまう。それを防ぐためにファインダー内の露出計がオーバーであることを教えてくれるから、適正な範囲に入るように絞りを変更しよう。
露出計もLEDでシャッタースピード毎に刻まれているから、明るいところでも見やすいし、わかりやすい設計になっている。
なにより絞り優先AEはプログラムAEと違って、すべてのレンズで機能するからすごい。
ミノルタの「ロッコールレンズ」が使える
古くは「AUTO ROKKOR」から「NEW MD」まで20年以上に亘った多数のSRマウントのレンズが使えるのが魅力。名レンズも多数ある。
しかもミノルタのレンズは何故か安い。昨今のミラーレスカメラの台頭で見向きもされなかったオールドレンズが高騰していってる現状、まだまだお買い得感がある。ネットだったら5,000円も出せば一般的な単焦点レンズが買えると思う。
自分の場合は光学の状態とかヘリコイドの具合とかのフィーリングを確かめたくてすべてお店で買っているけど、それでも1万円もあったらお釣りがくる。格安だったロシアンレンズですら高騰していってるから、同じ値段を出すならミノルタのレンズは断然オススメ。
手持ちのレンズはレンズ毎にまとめているので見てもらいたい。駄作ながら作例も掲載しているので参考になるかも。
ただアマチュア層がメインだったためか、保存状態も様々で美品を探すとなると大変かも。そのぶん数も多いから気長に探すといい物に出会えるかも。
とにかく明るいファインダー「アキュートマット」が搭載されていて見やすい
カメラを使ううえで大事なポイントってファインダーだと思う。そしてX-700の最大の売りがこのファインダーだと理解している。
このX-700に搭載されている「アキュートマット」と呼ばれるファインダーはとにかく明るい。ピントを合わすのが楽しく感じられる。
一番最初に中古カメラショップの店主に勧められて覗いたときのあの感動は今でも忘れない。今まで使ってきたカメラってなんだったんだろうと思うくらいに衝撃だった。
もうこのファインダーを覗くためだけでもX-700を買ってしまってもいいくらいオススメポイント。
しかも明るいだけじゃなくて視野率も倍率も高いから、両眼を見開いてままでもピントを合わすことができる。もう暗いファインダーだと使う気になれない体になってしまった。
このとろけるように明るいのすごくない?ピント合わしたらもっとすごいけど、それは買ってからのお楽しみ。
ただ悪い点もあって、使ってて感じるのはピントの山がボヤけてしまうように感じられることがある。
たしかにピントが合うところまではこの明るいファインダーのおかげでスッといくんだけど、そこからのピントの追い込みがぼやけてしまって難しい感じがある。
L判でプリントするくらいだったらそこまでピントを追い込まなくても問題ないから、日常使用的にはこれでいいのかも。ピントを外した写真だって味があっていい。
どこでも売られているボタン電池が使用できる
案外見落としがちなのが電池問題だ。
古いカメラは電池で困ることがある。たとえばよくフィルムカメラ初心者にオススメとして挙げられるPENTAX SPだと、シャッター自体は機械式だから電池要らずだけど、露出計を動かすための電池がMR-9と呼ばれる水銀電池で、現在は製造されておらず露出計を動かすことが容易ではない。
X-700は電子シャッター搭載なので写真を撮るためには必ず電池が必要だけど、使用電池がLR44と呼ばれるどこでも売っているボタン電池だからとても安心。気をつけるのは液漏れだけ。
本体が安い
実勢価格はボディだけだと1万円くらいじゃないかな。レンズセットでも1万円後半から2万円前半くらい。
1985年から98年まで販売されていた機材だけあって、たくさんの数が市場に出回っている。たくさんあるってことは要は供給過多なわけだから価格は安くなる。
X-700は電子シャッター搭載機だからシャッターが故障した場合は部品の交換でしか修理が難しいけど、部品の入手性も高いし、なんなら買い換えてしまっても問題ない。晩年に製造されたものだとまだ新しいからそうそう壊れることもないだろう。
最初に1台はカメラ屋さんで購入しよう
この記事を読んで最初の1台にX-700を購入しようと感じたなら、ここはネットではなくぜひ実店舗で購入するのが絶対にイイ。一番大事なフィルムの装填の仕方とか、撮影のやり方とか懇切丁寧に教えてくれる。
特にフィルム装填が失敗してたら、高いフィルム代をドブに捨てることになるし、現像代も無駄になるわで大変。
最初は納得するまでしっかり教えてもらって、フィルム1本撮り終わったらそれをお店に持って行って光線漏れとかを確認してもらう。
問題がなかったら2本目から気分よく撮影に出かけられる。
サポート代を考えると、多少高くても実店舗のがトータルで安くなると思う。
いくら新しいといっても20年以上前の製品だから、お店とのこういう付き合い方も大事じゃないかな。
まとめ
フィルムカメラはランニングコストが高いから、せめて本体ぐらいは安くあげたいもの。そんなお財布事情にもやさしいX-700はフィルムカメラデビュー機にぜひオススメしたい。
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