みんな大好きミノルチナシリーズ。
外観
ミノルタから発売されたコンパクトカメラだ。カラーはシルバーとブラックと二色展開。それであるならばブラックモデルを入手したいよね。
この個体はシャッター不動のジャンク品だったので、シャッターだけ部分修理してもらった。
フィルムカメラって五万とあるけど、ここまで面のいいカメラはなかなかない。
デザイン的に見ると、特に大きな面積を占めるのが露出計の受光部であるセレンで、この配置がキーになるかと思うけど、これを軍艦部と面一にすることで違和感を排除していて、さも「昔からいますよ」的な感じになっているのが見事なお仕事だと感じる。
ミノルチナPがどれだけコンパクトかと言うと、この写真を見てもらったら一目瞭然じゃないかな。ハーフサイズカメラの代表格であるペンSとの比較でもこのとおり。
このサイズ感でフルサイズなのだから素晴らしいの一言。
背面はファインダーと巻き上げレバーがあるだけ。フィルムホルダーやインジケータも何もなくスッキリ。
フィルム室も外観同様シンプルな構造。
部分修理の時にフタ部分のモルトを貼り替えていただいた。溝部分よりも大事よね。
レンズはロッコールの38mm F2.8が搭載されている。スナップに使うにはいい画角で、明るさも無理をしていなくよく写る匂いがぷんぷんする。
ミノルタのレンズって「AUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4」とかのようにレンズ構成が銘板に書かれていることが多いけど、このレンズはただ単に「ロッコール」のみ。
多分だけどレンズ構成はテッサー型だと思う。
レンズの周りに緑字と白字で書かれた数字が2段あるけど、これは緑字が距離で、白字がLV値を表している。ここで設定した情報が軍艦部にある距離計と露出計の数値と連動している。
例えばこの状態であれば、距離は集合写真に最適な中距離で、露出が低い状態。
この状態であれば、距離は中距離で露出は適正となる。
使い方はシンプルそのもの。
ちなみにこの筆記体のミノルチナのロゴが好き。
作例
コンパクトでありながらここまでの描写をしてくれるとは、さすがミノルタといったところ。
色のりも立体感も申し分なし。特に屋外で絞った写真なんてめっちゃよく写ってるのよね。ただ葉っぱの写真のように開放付近で撮るとぐるぐる巻く傾向はあるかな。
あと古いレンズなので強い光があるとふわっとした写りになる。それでも結構粘る部分もあって、作品作りに活用できそうだ。
大前提としてゾーンフォーカス機なので厳密なピント合わせはできない。私のように屋外でのスナップ用途ならば被写界深度に頼ればなんとかなるだろう。それにその「曖昧さ」も写しとってくれる。
なんといってもコンパクトで薄くて軽いのが、仕事カバンに入れても邪魔にならず大変ありがたい。
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