フィルムが高い。現像代も高い。
それでもスナップショット撮りたいし、普段はかばんにいれっぱなしにして日常使いしたい。
そうなるとハーフカメラを買うしかないのではと思った。
ハーフカメラとは
今さら素人が語ることもないけど、ハーフカメラは名前のとおり半分である。
なにが半分か?それはフィルムの使用量である。1コマあたり通常の35mmカメラに比べ半分しか消費しないので、計算上倍の枚数が撮影できる優れもの。実際、36枚撮りのフィルムだと72枚どころか75枚ぐらいは撮影できてしまう。
つまりフィルム1本分得してしまうわけだ。フィルムが高騰している今、お財布に大変やさしい。
Olympus PEN EE-3とは
そもそもPENシリーズって
オリンパスのPENブランドは今もミラーレスカメラとして継続されておりなじみ深い名前だ。
当時、宮崎あおいさんを採用し、「手軽さ」を前面に打ち出した広告戦略は、今なお続く女子カメブームの先駆者だったかもしれない。
実は私も学生の時にデジタルのPENを使っていた。モデルはE-PM1。とにかくコンパクトで機動性があるのがよかった。
しかし雑に扱っていたのが災いしたのか、鹿児島に旅行に行ってた時に故障してしまった。まだ買って1年ちょっとだったと記憶している。
一応購入店に修理依頼してみると、レンズのAF機構もダメとのことで、セットで4万円かかると言われてしまった。学生からすると大金である。今でも大金だが・・・。もうほぼ購入金額だったので修理を断って、ジャンク品としてヤフオクに流したのはよく覚えている
そんな苦い思い出のあるPENのご先祖様が、このPEN EE-3だ。
概要
オリンパスから発売されたハーフカメラである。
1973年より発売開始したPEN EEシリーズの最終モデル。
簡単にスペックを上げると
- 固定焦点(写ルンですと同じ)
- レンズは28mm F3.5
- シャッターは1/40から1/200
- セレン光電池によるAE制御
光量不足の場合だと赤ベロとよばれるものがファインダーに出てきてシャッターが押せなくなるのが特徴。
使い勝手は写ルンですと同じにもかかわらず、失敗写真が生まれにくいというわけである。
素晴らしいね。
外観
まずデザインがかわいい。
この可愛さがカメラを持ち出そうという気にさせてくれる。
フィルム送りは歯車式。右手で構えたまま親指でぐりぐりしたらフィルム送りできるので便利。
ちなみにPEN EE-3の本来張革は黒色だが、張革を専門に扱っているサイトからオレンジのものを購入して自分で張替えた。もとの革はすぐ剥がれるし、交換用の革は下記サイトで販売してるものだと接着剤付きなのでいとも簡単に張り替えられる。自分好みにカスタムするのもオススメだ。
ファインダーは縦型。スマホと一緒だ。
当然横に構えたら通常の写真と同じになる。
このフィルムカウンターがスピードメータみたいでオシャレなのがいい。
目盛が細かくてコマ送っても「今ちゃんと進んだ?」ってなるのもいい。
レンズの淵に数字が書かれているけどこの数字とフィルムのISO感度を合わせると適正露出となる仕組み。ISO25から400まで設定できる。
例えばISO200のフィルムを詰めてて光量不足で赤ベロがでたとしても、ダイヤルをISO400に回してやれば撮影できるかもしれない。ネガだったら大丈夫だろう。
どうしても撮影したい場合、フラッシュ用の目盛にあわせてやれば強制的に撮影できる。フィルム装填時のフィルム送り時に使える技だ。購入したお店の店主が言っていた。
作例
横構図
縦構図
よく写っているなぁ。
ハーフカメラだから現像上がるまでどうかと思っていたけど、そんな心配は無用だった。
ついているズイコーレンズがF3.5と無理をしていない結果だからだろうか。
これが当時の大衆カメラとして発売されたのだから、そりゃ売れに売れるのも納得できる。
縦構図の写真なんかも、今のスマホ全盛時代だとスタンダードみたいなもんだから何の違和感もない。
軽いし、コンパクトだし、いっぱい写真撮れるしでいうことなし。三方よしだ。
悪い点を挙げるとすると、ピントが難しいところ。花を撮った写真がわかりやすいけど、だいたい5mぐらい離れないとボケボケになってしまう。テーブルフォトとかはちょっと難しい。
現在このカメラは仕事用かばんに入れて日々持ち歩いていて、通勤や出先でスナップショットを撮るのに重宝している。
サッと取り出してパッと撮る。固定焦点だからこそできる技だ。そしてハーフカメラだからコストも抑えられる。余計な邪念を捨てられ、その瞬間にシャッターを押すという行為のみに集中できる。
いいカメラだ。
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