真鍮の下地の見え方が美しいこのブラックボディに、プリズムの腐食のないキレイなアイレベルファインダーがセットになったこの個体。これからも安心して使っていくためにもOHをお願いすることにした。
ニコンといえば「フォト工房キィートス」

ニコンの技術者が独立して開業されている修理屋さんは何店かあるけど、その中でも品川・西大井にお店を構えるキィートスさんはかなり有名だと思う。
中古カメラ屋で「専門店にて整備済み」として販売されているニコンのカメラをよく見ると、キィートスの伝票が付いていることが多いよね。
申し込み

Webサイトにある「修理問い合わせ票」をダウンロードし、必要事項を記入し印刷して同封する。
PDFで公開されているので、PDFを編集できるソフトがあれば直接記入してもいい。私はMacなので標準でPDFが編集できるのでありがたい。
ヤマトの宅急便で発送した。
見積り連絡
カメラがキィートスに到着した翌日に男性の方から見積の電話があった。今回はOHをお願いしていたので、部品交換を伴わない金額を伝えられた。想定どおりだったので進行をお願いする。納期は1か月とのこと。もう少し掛かるかと思っていたけど、意外にスピーディー。
修理完了
進行をお願いしてから1ヶ月経とうとしていた頃、キィートスから修理完了の電話があった。見積り連絡とは違って女性の方だった。費用は見積り時の連絡のとおり。
銀行口座に入金を確認してからの発送になるということで、口頭で伝えられた口座に振込、翌日発送された。
いざ、ご開帳

待ちに待った瞬間である。

隙間なく新聞紙が詰められ、中身が動かないようにしっかり固定されている。

新聞を取り除くと整備されたものが姿を現した。上の方に見えるのは伝票。あの、よく見るやつ。

実はカメラ1個だけを送ると送料がもったいない気がしたので、レンズも1個お願いしていた。

プチプチを取り除くと分厚いビニールに覆われたニコンFが出てきた。

これよ、これ。見て。
まずキィートス整備済みカメラから漂う特有の匂いがした。外観はペイントがびっくりするくらい輝きを取り戻し、鏡のように反射するようになった。巻き上げはガリガリ感が薄らぎマイルドな使い心地に。元々シャッターは不具合ないと思っていたけど、ミラーの感じも「バシッ」となるようになり、これが当時のプロ機であるFなのかと思った。
気づかなかったが蓋の開閉に不具合があったようでそれも直してくれたとのこと。
機械式フィルムカメラはメンテナンスを続ける限り生涯使えるので本当にありがたい。
気になるOH費用は…

ニコンFのオーバーホール費はコミコミで28,820円だった。もちろんニコンFでもフォトミックファインダーなら露出計もあるので費用は異なるだろう。あくまで参考にしてほしい。
OH代が不明で整備に出されず壊れてしまうより、この投稿を見たことによって、ひとつでも整備されてフィルムカメラが未来に残っていくことを願いたい。
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