ミノルタの中級機だ。洗練された端整な顔立ちをしているにも関わらず、あまり売れなかったそう。
このスタイルに一目惚れして状態の良いのを探していたら、いつものカメラ屋さんに並んでいたので連れて帰ってきた。
外観
シンプルなスタイルに大口径レンズが非常によく目立つ。全体的には直線基調であるけど、角が丸くしてあるから、硬派になりすぎずカジュアルさも残してある。コンパクトカメラだからこの辺の塩梅が難しかっただろうな。
メタルの質感もコンパクトカメラだからと疎かにせずしっかりしている。シャッターも機械式だし、ミノルタは良いカメラを作るなぁ。
左上にはCdSセルが顔を覗いている。
巻き上げレバーは背面にある。形が少し特殊だけど、指掛かりがいいのかすごく巻き上げやすい。巻き上げの感触はミノルタの一般的なカメラと同様で、ガリガリガリとダイレクトに伝わる。
「minolta ALS」のロゴが目立つ。ただちょっとイマイチ。独コダックのレチナみたく、もう少しこだわって欲しいなぁと。
シャッターレリーズは結構深め。シャッターきるときは気をつけよう。
レンズ
大口径のROKKOR-QF 40mm F1.8が搭載されている。QFだから4群6枚構成かな。自信ないけど。
絞りはF1.8と明るいし、焦点距離は40mmと準広角で使いやすい。中級機ながら良いのが付いてる。
残念ながら後ろ玉の下部が白濁してしまっている。幸い端だから写りに影響がないと信じたい。ちょっと調べてみたら白濁している個体が多いようだ。
ファインダー
この個体は販売店によってファインダーが整備されたもの。非常にスッキリしていて二重像の分離クッキリしている。ファインダーが見やすいと出かけようという気にさせてくれる。
露出計
側面には露出計のスイッチがついている。常に電源ONや、巻き上げ時にONになるカメラもあるなか、ちゃんとスイッチがあるのはありがたい。電池だってもったいないよ。
露出計は追針式。特に数値等は書かれていないが、視覚的にパッとわかるのでアナログ式がいい。
電池は「MR-9」を使用する。国産はもうないけど、輸入品や100均で売っているSR43をMR-9に変換するアダプタ等を使えば問題なし。
形状はもちろん、電圧まで1.35Vまで降下してくれる優れモノ。
SR43電池。
作例
賀茂川。
日差しが強くて絞った。なかなかシャープじゃない。
バス車内。
たぶんF2.8ぐらい。関係ないけど京都市バスって230円なのね。210円ぐらいだと勝手に思ってて、ICカードをピッとした瞬間にうん?となった。京都市の財政状況悪いもんね・・・。
京都新阪急ホテル
F5.6~F8ぐらい。外壁のタイルやバルコニーの柵がキレイに描写されている。
京都タワー。
あえて真下から。全然線が潰れてないね。手前にある街路灯のデザインも洒落ている。
青空。
雲の儚さがキレイ。
京都駅。
最小絞り。意外に逆光耐性あるのかな。ゴーストやフレアはあまり発生していない。それにしても線がキレイだ。
夕焼け。
これも最小絞り。電線と並行して伸びる飛行機雲が良いアクセント。
イコちゃん。
開放で撮影。このレンズは開放で撮ると柔らかい雰囲気になる。むちゃくちゃ雰囲気がいい。屋内撮りにいいかも。
右足にピントを合わせたんだけど、くちばしの根元の部分さえズレてるから、ピントの薄さがわかると思う。
まとめ
スタイルもよくて写りもよくて言うことないんだけど、売れてないからか数が少ないのがキズ。
兄弟機の「ミノルタALE」は結構見かけるんだけど、こちらは電子シャッター。AE使えるから楽だと思うけど、やっぱり機械式のがいいな。
参考にミノルチナシリーズを簡単にまとめておく。
機種名 | レンズ | 露出計 | シャッター |
ミノルチナS | ROKKOR-QF 40mm F1.8 | セレン | 機械式 |
ミノルチナP | ROKKOR 38mm F2.8 | セレン | 電子式 |
ミノルチナAL-s | ROKKOR-QF 40mm F1.8 | セレン | 機械式 |
ミノルタALS | ROKKOR-QF 40mm F1.8 | CdS | 機械式 |
ミノルタALE | ROKKOR-QF 40mm F1.8 | CdS | 電子式 |
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