バースイヤーカメラを新品で手に入れる「ニコン New FM2/T」

フィルムカメラ

こういう機会をいただき大変ありがたい。

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そもそもバースイヤーカメラとは

バースイヤーカメラとは自分の生まれ年に発売されたカメラのことを指す。またライカのようにシリアルナンバーから製造年月がわかる場合はこれもバースイヤーカメラとする。

自分と同じ時に生まれ、同じ時代を過ごし、だけど自分とは異なるストーリーを経たにも関わらず自分の手元に来るのだから特別な愛着が湧き、撮影へのモチベーションはもちろん、コレクションにも最適な逸品だ。

私の場合は1993年生まれのおっさんだ。WikipediaやメーカのWebページから93年(平成5年)発売のカメラをまとめてみた。

メーカ・ブランドモデル
ニコンNikon 35Ti、New FM2/T
キヤノンEOS Kiss
ミノルタPANORAMA ZOOM 7
コンタックスCONTAX S2、CONTAX TVS
ペンタックスZ-20p
主な1993年発売のカメラ

1993年にもなるとAFプラカメの全盛期だ。そんな中、ニコンは趣味性の高いマニアックな機種を発売し、コンタックスはツァイスのレンズを引っ提げ高級志向を突っ走る。キヤノンは大衆・ビギナー層を取り込もうとEOS Kissを発売するなど各社戦略が面白い。
Kissなんて令和の今でも続くブランドになってるのだから戦略として大成功だ。

もう一つ、忘れちゃいけないのがライカだ。ここは文献が揃っておりシリアルナンバーから製造年月を特定することができる。「バースイヤーライカ」と表現する人もいる。

1993年当時に生産されていた個体はライカM6になる。
シリアルナンバーだと概ね179万台や193万台、199万台が該当するようだ。

ただM6は値上がりが著しく30万円を超える個体も見かける。並行輸入品が新品で約16万円で売られていたことを考えるとなかなか・・・。
1993年生まれの同級生がいたら、ぜひバースイヤーカメラとしてM6を購入して欲しい。

ちなみに復刻M6は約70万円だ。もしこれが50万円で発売されていたなら手持ち機材を全て整理して購入したと思う。

バースイヤーカメラを手に入れる

さて本題。「新品のNew FM2 チタンをどうですか?」とお声掛けいただいた。詳しく聞くと、ある個人が新品で購入したまま、ずっと保管してあったものだという。この度手放すにあたり譲渡先を探しているとのこと。

厳密にいうと一度販売されたものだから新品ではないけど、この際細かいことはいい。カメラ屋の棚奥深くにあるデッドストック品となんら変わらんでしょう。

そもそもフィルムカメラは基本中古でしか購入できない。執筆時点で手に入る新品のフィルムカメラは「M型ライカ」と「ペンタックス17」になる。ライカは50万円オーバーだし、ペンタックス17は初回入荷分以降いつ手に入るかわからない。

そんなフィルムカメラが30年の時を超えて新品の状態で、しかもバースイヤーカメラとなると乗るっきゃない!

ただNew FM2は機械式フィルムカメラとして人気が高く結構なお値段がする。そのチタンモデルとなるとコレクション要素が強く高騰に拍車が掛かる。

恐る恐る自分が提示できる最大限の金額を伝えたらOKを貰えたので、なんと新品のバースイヤーカメラが手に入ることになった。

開封の儀

元箱

まさか令和の世にFM2の開封の儀をやるとは自分でも驚きである。

ニコン特有の黄金色というか黄土色を全体にまとった化粧箱である。箱の状態もいい。さぞ保管状態が良かったのだろう。

「2/T」の部分は赤紫色になっているのね。

シリカゲル剤

発泡スチロールとニコンネームのシリカゲル剤がある。その下に三脚座の保護するものだろうか?ゴム板がある。

発泡スチロール

至って普通の発泡スチロールだ。これに本体が挟み込まれてある。

プライスタグやマニュアル、保証書類

もちろん新品なので未開封。ていうか希望小売価格高いね。実勢価格はいくらくらいだったんだろうか。消費税は当然3%の時代、5%→8%と増税され今や10%・・・羨ましい限りだ。

ビニルに包まれた本体

発泡スチロールを開けると、いよいよ本体が見えてきた。

チラッ

あぁ・・・見えてきた。

ボディ本体

いざ、ご対面。あぁ・・・いいっすねぇ・・・

マウント部と底面に保護カバーが付いている。

軍艦部と背面

おお、さすがキズ一つなくキレイ!こう見るとチタンの色合いも悪くない。

底面

保護カバーが誇らしい。電池蓋もキレイそのもの。

フィルム室

シャッター幕も当然のように保護カバーが付いている。「非常に薄い特殊金属」というのはジュラルミンのことを指しているのだろう。
FM2の初期モデルならチタンのハニカムシャッターだったね。

フィルム室

フィルム室はもちろん清潔。ただモルトはちょっと劣化が見受けられる。

レンズを装着

FM2はAiレンズのみが装着可能だけど、我が家の防湿庫をあさってみるとほとんどない。オートニッコールの85/1.8 Ai改が出てきたのでとりあえず装着。

チタン色と組み合わせはどうかと思ったけど、意外に違和感がないね。

以前FM2を使っていた時はPlanar ZF.2を使っていたことを思い出してみたり・・・。

露出計

電気系統は劣化が早いので電池を入れてテストしてみた。SR44/LR44が使用可能。電池特性的にできればSR44を使いたい。

シャッター速度と絞り値を自分の勘露出で合わせてみたら、「⚪︎」(適正)と表示されたので一安心。

あとはひとしきりシャッターを切ってみて速度が変化するのを確認。心配していた粘りも無さそうで良かった。

終わりに

今回こういうお話をいただき大変ありがたい。普通に生きてるだけではなかなか機会が訪れないので、交流と発信を続ける大切さが理解できた。

また大変貴重な品であるが、せっかくなんで使っていきたい。絵画や骨董品と違い、カメラは写真が撮れるから価値があるものだし、フィルムもいつまであるかわからない。だったら使ってあげたほうが機械としての本分を全うできるはず。

もしコレクションの処分を考えていているけど、転売ヤーの手にわたることがイヤな方、ぜひ私までお声がけを笑

なおバースイヤーカメラを特集した本もあるので参考にして欲しい。

 

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