ダブルストロークのあまりにも軽快な巻き上げに嬉々として触っていたが、あるとき36枚撮りのフィルムがいつまで経っても終わらなくなってしまった。
要は永遠と巻き上げ続けられるのだ。おかしい。間違いなくフィルムカウンターはセットしている。コマ数は合っている。絶対におかしい。
コマ滑りの症状
今撮っているフィルムはそこで終わりにし、いったん巻き戻し、そのまま現像に出した。そしたら案の定、最終コマが被っていた。コマ滑りともいうべきか。
せっかくのキレイな筐体だ。ここは修理に出すことにした。
どこで修理するか
Googleで「Topcon 35-L 修理」で検索すると、個人の修理記から修理屋さんの実績紹介まで多数引っかかる。どこにしようか。
あえてTwitterで検索すると「カメラのロッコー」が引っかかった。販売と修理をされるお店らしく、2019年まで東京・人形町に店舗があったようだが、現在は無店舗営業となっている。
出張で東京に行くときは情緒を感じられる日本橋や人形町、浅草橋界隈で泊まることが多いので惜しいことをした。
店主は「早田カメラ」にも居られたようで、修理の腕も確かとのこと。店主が販売も修理もするお店には惹かれる。
本機も売れ筋商品とのこで、実績も申し分なし。問い合わせしてみることにした。
日曜の夜更けに問い合わせのメールをしたら、まさかの即レスがあり驚いた。
コマ滑りする旨を伝えると、部分修理はやっていなくオーバーホール対応になるという。当然オーバーホールとなると他店に比べ費用はかさむが、オーバーホール後は1年の保証がつく。
本機の状態はコマ滑りのほか、ファインダーに少しクモリがあり、等倍のすばらしいファインダーが堪能できない。ファインダーのクモリも併せて快調に使えるようになるならOHもありかなと考えた。
オーバーホールをお願いしたら、Twitterで修理作業を掲載してもらえるとのこと。なかなか修理中の様子を見られるなんていい話だ。
修理の様子
Tweetを使わせていただく。
修理上がり
依頼してから1週間で帰ってきた。非常に早い。
まずファインダーのクモリがなくなっていた。見事にコントラストがあがり、二重像が見やすくなった。両眼を見開いた状態で覗くと、フレームが眼前に浮かび上がるように感じるぐらいだ。
ダブルストロークの巻き上げもスムーズさは健在で、ずっと巻き上げていたくなる。
シャッターはもともと元気だったが、もうやる気に満ちあふれた音がするようになった。
撮影
コマ滑りの確認のため、早速撮影に出かけた。
駅。
おや、明瞭度が上がったかも。
採光窓。
くっきりした写り。やっぱり写りが良くなっている。
車内。
地下街のオブジェ。
たぶん開放か開放付近。いい立体感。
クレーンでの荷揚げ。
幾何学的建物。
暗いから絞ってないと思うけど、質感がよくわかるくらいくっきりしている。
ガラス越しのビル。
植栽。
やっぱり。写りが変わっているな。めっちゃよく写っている。線が潰れていない。
まとめ
懸案だったコマ滑りが解決した。不具合なく使えるのは気持ちいい。
やっぱりカメラにしてもレンズにしてもきちんと整備された状態で使うのがいいね。本来の性能を味合わなきゃ当時の設計者に失礼だと思う。
オーバーホールは費用がかさむから二の足を踏むけど、お金を貯めて他の機材も整備していきたい。
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