このレンズは間違いない。銘レンズと言っても過言ではない。
概要
ニコンFが発売された1959年の当初からラインナップされているレンズである。
この105mm(=10.5cm)の焦点距離といえばレンジファインダー時代のSマウントからあるレンズで由緒正しい。
歴史が長いということはそれだけ様々なバリエーションがあるわけで、初期のモデルは9枚絞りで銘板は10.5cm表記、その後6枚絞りに代わり表記も105mmとなる。後期モデルになると絞り値はF22からF32になる。
この個体はF22までのタイプ。これより後のモデルは最小絞り値がF32になる。
光学はありがたいことにスッキリしている。少々チリが見受けられるけど、年代を考えたら上出来ではないだろうか。
絞り羽根は6枚なので、光芒は六角形になる。
最短は1.2m。テーブルフォトは撮れないね。
105mmという焦点距離がありながらコンパクトにまとまっており取り回ししやすい。
先端がシルバーってのがいいよね。
カメラに装着
ニコンFとの組み合わせ。中望遠レンズながらコンパクトなため、カメラとのバランスがいい。
最短にしてもそこまで長くなることはない。
フード
大文字の「F」が誇らしいフード。
105mmのほか135mmも共通で使える。
このフードは逆さに取り付けることができる。移動や収納時はコンパクトにできるのがありがたい。
フードをつけた全体像はこんな感じ。カッコイイ!
作例
ネガフィルム
中望遠といえば背景をぼかしたくなる。このレンズのボケは予想外にスッキリとしていて、ポートレートで撮りたくなる。
それなりに絞って撮ったと思う。なんだろう、透明感のある写りだ。
さらに絞って。
この時代のレンズらしく発色はあっさり目だけどこれだけ写れば十分よね。
スマホ越しのなんちゃら。
ほぼ最短(1.2m)で撮影するとこんな感じ。
ポジフィルム
自分もこんな感じで撮ってるんだろうなぁ。ただレンジファインダーを持ち出していることが多いから、もっと腰がひけていると思うけど。
せっかくの中望遠なので圧縮効果を狙っての撮影。
ボジの原版をルーペで見ると松の枝とかちゃんと写っているのがすごい。
スポットライト的撮影
ポジフィルムはどうしてもこう撮りたくなる。
赤は美しい。
終わりに
ニコンFの発売時からこのレンズをラインナップしていたのだから、いかに「F」がシステムとして完成されていたのかがよくわかる。
当時は高かったかもしれないけど非Aiなこのレンズは今となってはお安く買うことができる。フード付きで1万円もしないんじゃないかな?確か6,500円くらいで購入したはず。
ちょっとした飲み会程度で購入できるし、オールドレンズ入門として、また最初の中望遠レンズとして、胸をはってオススメできるレンズだ。
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