手軽に持ち運べる旅行カメラとして「オリンパス 35 DC」を購入した。というのは建前で整備済みなのに結構お値打ちで出てたものでつい・・・という感じ。
外観
本機はいわゆるコンパクトMFカメラだ。この時代、各社さまざまな機種を発表しており、たとえばジャーニーコニカで有名な「コニカ C35」はその代表格だろう。
写真表現の幅を広げたい一方、露出を考えるのは難しい…そんな向上心あるビギナー層をターゲットに「ピントは手動で露出制御は自動」と簡単にキレイな写真が撮れる夢のようなカメラだと思っている。・・・ちょっと言い過ぎか。
本機のレンズは「ZUIKO 40mm F1.7」を搭載。自動露出なので常に開放で撮ることはできないけど、F1.7の明るさは室内での撮影に役に立つ。
また40mmという画角がいい。標準と言われる50mmってちょっと狭くて35mmだとちょっと広い。40mmはその中間で一番好きな画角である。
AEカメラなので軍艦部は至ってシンプル。フィルムカウンターと巻上げレバー、シャッターレリーズがある。フィルムカウンターとフラッシュ用のガイドナンバーもあり軍艦部で完結する設計だ。
背面も至ってシンプル。バッテリーチェックボタンとバッテリーチェックランプがあるだけ。
フィルム装填
裏蓋を開けるには正面向かって右側面にあるノブを下に下げる。巻き戻しクランクを上に引き上げるタイプではないので注意が必要。
フィルム装填も他のカメラ同様一般的。パーフォレーションにスプールのトゲトゲを合わせて、あとは巻き上げるけ。
感度設定
フィルムのISO感度を調整するにはフォーカスリング手前の赤丸で囲ったリングを回すと感度設定ができる。設定された感度は前面レンズ周辺で確認ができる。
このリングは結構硬くギザギザに爪がまけてしまった・・・。
使用電池
AEカメラなので動作させるには電池が必要だ。電池はMR-9を1つ使用する。中国あたりのMR-9代替電池を使用するか、LR44からの変換アダプタを使用しよう。
なおこの個体はLR44で動作するよう販売店によって改造されている。なんともありがたい話だ。
作例
新幹線の駅
旅行前という感じがするでしょう?歩きながらの撮影でピント厳密に合わせていない。こういう緩い撮影ができるのがレンジファインダー機のいいところだと思っている。
コダックのフィルムということもあってあっさりした写りだ。
シーサー
シーサーもいろんな形があるのね。全部がユニークで面白い。
遊覧船
船底がスケルトンで海の様子がわかるようになっている。
晴天
せっかくなんでポジフィルムでも。オリンパスブルーというのはたまに聞くけど、青色の描写がスカッとして気持ちいいね。
日陰となるマンションの側面も潰れず描写されているのはいいレンズの証拠だ。
手水舎
屋根があって一部に光が差しているいやらしい場面でもキッチリ撮影できているのはさすが!
ポジフィルムだから露出がシビアなんだけどありがたいよ、ほんと。
二人組
F1.7の大口径レンズを生かし切りたく夜の商店街で撮影。開放でもホワホワにならずこんなに描写されているのはお見事。いいレンズだわ。
おわりに
この個体はOLYMPUS 35 DCの中でも後期型にあたるタイプだ。前期型に比べ一部の部品がプラスチックに置き換えられている。とはいえ製造から半世紀は経っているんだけどちゃんと動くんだから当時のものづくりは素晴らしいと感じる。
執筆現在の相場は1.5万円前後。お手軽なのでいつも機械式カメラばっかりの方も、たまにはAEカメラを使うと楽しいよ。
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